モータ・インバータ効率の計算方法【自動車工学】/Motor inverter efficiency calculation method [Car/Automotive Engineering]

初めに

今回はモータやインバータの効率を出力orエネルギーから計算する方法を紹介します。この計算、実は駆動と回生で計算方法が違います。自動車エンジニアでも多くの人が勘違いして、間違えが多発するところなので、しっかり押さえておきましょう。

モータ・インバータ効率の計算方法

モータ・インバータの計算は出力、エネルギーどちらからでも計算できますが、今回はエネルギーの単位で説明していきます。計算手法はどちらでも同じです。

〇駆動側効率計算
まずは駆動側の効率計算から考えましょう。条件としてはモータからアウトプットされるメカエネルギーは100kJ、ロスは10kJとします。モータから見て出力÷入力が効率となるので、式は以下のようになります。

モータ駆動効率=出力メカエネルギ-÷入力電気エネルギ-
       =出力メカエネルギ-÷(出力メカエネルギ- + ロス)
=100kJ÷(100kJ+10kJ)
       =91%

〇回生側効率計算
次は回生側の効率計算から考えましょう。条件としては駆動側と同様にモータにインプットされるメカエネルギーは100kJ、ロスは10kJとします。式は以下のようになります。

モータ回生効率=出力電気エネルギ-÷入力メカエネルギ-
       =(入力メカエネルギ- + ロス)÷入力メカエネルギ-
=(100kJ-10kJ)÷100kJ
       =90%

以上のように駆動と回生で同じメカエネルギーとロスに対しての計算でしたが、効率が91%と90%で異なる結果になりましたね。エクセル内で関数を使って計算するときに、駆動と回生で同じ計算式を使ってしまって、間違えるというのはあるあるの失敗なので注意しましょう!

〇総合効率計算
最後は駆動と回生を合わせた総合効率を計算します。条件は上記を流用します。
駆動側と回生側の計算式を組み合わせることにより計算でき、以下のようになります。

モータ総合効率=(駆動出力メカエネルギ- + 回生出力電気エネルギ-)÷
(駆動入力電気エネルギ- + 回生入力メカエネルギ-)
       =(100kJ+ 90kJ)÷(110kJ+100kJ)
       =90.48%
以上のように計算すると、90.48%となりました。おおよそ駆動効率と回生効率の中間あたりの結果になりましたね。

終わりに

今回はモータ・インバータの効率計算方法の紹介でした。今回はモータのエネルギーで説明しましたが、インバータでも考え方は同じです。また出力で計算するときも計算式をそのまま流用することができます。効率計算のベースとなる考え方なので、自動車エンジニアとしてはしっかり押さえておきましょう!

Summary in English:

The efficiency of motors and inverters can be calculated from the perspective of output or energy, but the direction of input and output is reversed during driving and regenerative phases, so using the same formula can lead to incorrect results. It is particularly important to include a mode judgment for driving and regenerative modes when creating functions in tools like Excel. The concept of efficiency can be applied to both motors and inverters, and can also be developed with the same logic on an output basis. As an automotive engineer, it is essential to correctly understand this basic structure and apply it in practice.

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